怒濤の一週間が過ぎた。
これから一週間，実家に帰省して休養し，年明けから就職活動を再開する予定だ。
空港で，中学校のクラスメートと偶然再会した。
今となっては昔の話だが，私の中学は県内では進学校であり，医者になっている同級生が非常に多い。そんな中，彼は，大学に入るまでに相当時間がかかった苦労人だった。
お互い近況報告をすると，彼は，今も学部生をやっている，と苦笑いしていた。
クラスの同窓会幹事が，彼と連絡がつかないと言っていたのを思い出し，
「今年の年末に同窓会があるけど，気が向いたら行ってみたら？」と言ったところ，彼は次のように答えた。
「今の自分にとって，周りのみんなはあまりにもキラキラ輝いて見える。自分の身が安定してない中で，あまり会いに行きたくないよな。今のお前なら，少しはその気持ちがわかるんじゃないか？」
返事ができなかった。
その気持ちは，自分にも痛いほどわかるはずだった。
本当のことを言えば，私自身，不合格がわかってから，出席するはずだった同窓会をキャンセルしていた。
最初から彼の答えは予想できていたとも言える。
彼に同窓会の話を持ち出す必要はなかったのかもしれない。
飛行機の中で，物思いに沈んだ。