二回試験対策で役立った本
私が二回試験対策で使用した本を紹介します。
私は修習生の頃、起案の成績はC前後で、A評価を取ったことは一度もありませんでしたが、二回試験に落ちてから腰を据えて勉強し、受かった年の二回試験は5科目中4科目が優でした。
修習生の頃、A評価を取り続ける裁判官志望の人を見て、「この試験は能力とセンスが必要なんでしょ。自分にはムリムリ。」と思っていたのですが、実はセンスとは関係なく、努力が報われる試験だったようです。
普通の人でも,修習前から腰を据えて準備しておけば,任官や任検を狙えるのかもしれません。
さて、本の紹介に入りますが、新しい版が出ている本は新版を紹介してあります。
<民事裁判>
事例で考える民事事実認定
教官室が重要な点をまとめているので、読まない手はありません。必読書です。
要件事実の考え方と実務〔第4版〕
正直言って、研修所が配付する「新問題研究要件事実」だけでは二回試験に太刀打ちできません。
私の頃は「紛争類型別の要件事実」があったので、それをベースにして、不足する部分を「要件事実の考え方と実務」で補っていました。
完全講義 民事裁判実務の基礎〔第3版〕(上巻)
いわゆる「大島本」です。持っている人が多いので買いましたが、ほかの本と重複するため、あまり活用しませんでした。
要件事実論30講〔第4版〕
司法試験の頃から使っているので、2,3回は解きました。二回試験対策には良いと思います。
要件事実問題集〔第5版〕
二回試験対策にはオーバースペックですが、最後まで解くと自信が付き、二回試験に対する恐怖心が和らぎます。頑張って解きました。
要件事実マニュアル 第1巻 総論・民法1/同第2巻 民法2
辞書的な使い方をしていました。どこの法律事務所にも置いてあります。
ステップアップ民事事実認定〔第2版〕
2回ほど通読しました。
事実認定の考え方と実務〔第2版〕
1回通読しました。
<民事弁護>
クロスレファレンス民事実務講義〔第3版〕
弁護士の書籍ランキングでよく目にする本です。実務家からの評価も高く、おすすめの一冊です。
ちなみに、直前期は小問対策に時間を割く余裕がないので、時間があるうちに知識系の勉強を済ませておくと良いです。
解説 弁護士職務基本規程〔第3版〕
弁護士になってからも、倫理研修のたびにこの本を開きます。読んでおいて損はありません。
参考リンク:日本弁護士連合会
<刑事裁判>
プラクティス刑事裁判(旧「刑事裁判修習読本」)
必読書です。
実例刑事訴訟法(1)、(2)、(3)
二回試験と関連があるのは一部のみですが、3冊とも通読しました。
刑事事実認定重要判決50選〔第3版〕(上)/(下)
先輩から譲ってもらった「刑事事実認定―裁判例の総合的研究 (上)」「同 (下)」を使っていたのですが、評判が良さそうなのでこちらを購入し、重要な部分を拾い読みしました。
※重要な部分・・・起案の出題傾向を見れば、教官室が出題しやすい犯罪と、出題しにくい犯罪があることがわかりますので、頻出の犯罪類型から読んでいきます。
<検察>
検察終局処分起案の考え方〔令和元年版〕
個人的には、白表紙の中で最も重要な本だと思います。どんなに実体法の知識を有していても、書き方のルールを知らないと検察起案が書けません。
一見無駄に思えますが、写経をすると理解が深まります。
犯罪事実記載の実務 刑法犯〔7訂版〕
公訴事実の書き方を確認するために使用していました。
「二回試験に受かったら、こんな本捨ててやる!」と思っていたのですが、実務に就いてからも、告訴状を作成する際に使っています。
司法試験で使用した刑法の基本書
刑法総論・各論の知識がすっかり抜け落ちていたので、基本書で復習しました。
私が使っていたのは、西田典之先生の「刑法総論〔第3版〕」「刑法各論〔第7版〕」です。
構成要件や定義は、カードを作ってせっせと覚えていました。
<刑事弁護>
刑事弁護講義ノート〔平成29年9月版〕
必読書です。
刑事弁護ビギナーズver.2.1
定番の本です。実務に就いても使えます。
<番外編>
新版 弁護士・法務人材 就職・転職のすべて
二回試験とは関係がありませんが、時間がある修習生にお勧めしたい一冊です。
弁護士に2人に1人は、どこかのタイミングで転職を経験することになりますので、弁護士のキャリアパスと転職状況を知っておくことは有益です。
本書の後半に記載されている、求職票の見方と面接対策も実践的で参考になります。
本の紹介は以上です。参考になれば幸いです。